Interview

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みんなでつくる両立支援企画スタート

ダイバーシティ研究環境推進室では、仕事とプライベートの自分をより充実するためのインタビュー企画(両立支援企画)をスタートします。第一回目はキックオフとして、ダイバーシティ研究環境推進室 矢野室長と藤井(Ree-D 学術研究員)が企画への想いを語り合いました。

藤井 両立支援企画ということでいよいよ始まっていくのですが、今回まず一番最初にどんな人たちがつくっているのかということで、この企画を進める編集長矢野先生とスタッフ藤井の対談を最初の企画にしてしまいました!私たちの自己紹介したほうがみんな読んでもらいやすいのではないかと思いまして。
まずは、矢野先生の大学でのお仕事、役割について改めて教えてください。

矢野 所属は保健科学研究院で、このダイバーシティー研究環境推進室と、硬式野球部の部長をやっています。役割としては、(保健科学)研究院のほうでは、企画戦略室の中で研究院長補佐という役割を持っています。

藤井 研究院長補佐って指名されるのですか?

矢野 そうですね。研究院長が新しく就任されたら、研究院長からの指名になります。2年間、研究院のビジョンを共有しながら研究院全体の運営を検討していきます。


 
藤井 授業と学部の運営の両立っていうのは、自分のマンパワーが不安になっちゃうようなこともあるのかなと思うのですが、いかがでした?

矢野 不安になるといっても、そういうポジションになったら責任がありますし、いろんな状況見ていくとそこに携わることの意味とか、役割は大きいなって思うので、依頼されたものは基本的にはあまり拒まずに受けています。でも今いろいろな役割・仕事をしていて、逆にそうすること(様々な役割を兼任すること)で周りへの影響も生じますよね。できるだけ(拒まず)、でもあまり広げちゃいけないっていう感覚ではいます。

藤井 1日24時間しかないから、その中でどれだけ自分のパフォーマンスをベストで発揮していくかって、全て平等にベストでできたらいいけど、なかなかそうはいかないときもいっぱいありますよね。

矢野 そうですね。でもきっと、それぞれの役割で、やるべきときがあるので、やるべきことが重なるとすごく大変だけど、その時々に今やるべきことの優先順位をつけることがすごく大事だなと最近思っています。ずっと全部が100%で走っているわけじゃなく、そこの見極めを間違えないことが大事なのかなって最近は学んだような気がしています。

藤井 そうですね、ほんとに先生倒れちゃったら困っちゃうから。

矢野 そんなことはないのだけど(笑)そんなに大きな研究室じゃないけど、大学院生いて、あと学部生いて、あと共同研究で他の企業さんと関わっていることも責任はあるので、優先順位付けながら、何が大切かを見極めていくことが大切ですね。

藤井 矢野先生がやらなきゃいけないことっていうのを取り出して、そこに注力されているようなイメージでした。

矢野 そうです、ありがとうございます。そうかもしれない。

矢野先生の、両立

藤井 でもそれだけやっていると、家のことで、自分できてないとかって自分を責めてしまうことはありませんでしたか。

矢野 若い時はありましたよ。
ありましたっていうか、きっと家族は仕方ないなって思っていたと思います。そのくらい大変だった時もある。そして、最初一人目の子供ができた時に、私すごく頑張り過ぎるくらい頑張ろうと思っていたと思うんですよ、子育てと仕事と。あと子どもと向き合える時間はすごく短いから、その時間は120%子どもと関わりたいって思っていて、多分ちょっと疲れた顔していたんだと思うんですよね。そしたらその時たまたま、先輩の 先生に見透かされて、「矢野さん、おうちでほっとするときに、子どもや家族のことだけじゃなくて、自分のために新聞を開いたり、本を読んだりするっていうことはとても大事なことだよ」って言われたことがありました。それは悪じゃなくて、大事なことなのよって言われて、そこから自分何やっているのかなって足元見えたような気がして。だから自分が全部をすることがいいことでもないのかもってその時思って。自分も得るものがないと、家族にも恩着せがましい自分になっていたかなと思って。ちょっと肩の力を抜けた経験をそういえば思い出しました。

藤井 そのお話聞いて、私の母親の話も思い出して。最近教えてくれたんですけど、私の母親も小学校1年生の時から職場復帰したんですよね。その時に私がよく熱を出すようになったらしいのです。そこで担任の先生に、”私がまた働きに出たことが子どもの健康を害してしまっているのでしょうか”っていう相談をしたんですって。そしたらそれは子どもも頑張っているんだから、あなたも頑張んなきゃいけないのよっていうふうに言ってくださったみたいで。

矢野 よく分かりますよ。

藤井 周りの人に話したりとか、周りの人が気付いて話し掛けてくださるのってすごくありがたいなって。

矢野 そうですよね。どれも100%頑張りたいけれども 、みんなには申し訳ないんだけど、その中で精いっぱいやっていて70点になっても、100点じゃなくてもいいってその時学んだような気がしました。そうじゃないと折れちゃうかもしれない。

藤井 そうですね、折れてしまうと思います、私も。

矢野 だからみんなにいつもごめんねってことが多いのだけど。そういう人たちに囲まれることはありがたいし、そういう自分であるから逆に周りがすごく成長してくれてるかもってすごいポジティブシンキングするようになりました。

藤井 そういうお話の中で、今回両立支援ということでキーワードは両立なのですけれども、世の中のイメージだと子育てとの両立とか、介護との両立がメインで取り組まれることが多いと思うのですが、そうは言ってもいろいろな両立があると思うのです。 自分の幸せとの両立、研究の中での自分と趣味の世界での自分とか、いろいろ両立があるかなと思っていて。矢野先生的両立ってどんなものがありますか。

矢野 今は、私は3人子どもがいるのですが、3人がありがたいことにそれぞれ社会的な自立をしてくれたので。

藤井 おめでとうございます。

矢野 ありがとう。でも今私の両立のひとつは介護なんです。これからも先を考えたときにどうやっていくといいのかなっていうのも、すごく大きな課題なんですよね。介護は、直接的にお世話をするっていうイメージを持ちがちだと思いますが、遠くに離れている例えば両親を、今後高齢化していったときにどうしようかなってことも考えながらとか。それらのことについて自分の中のバランス保つのがすごく難しいなって最近思いました。

藤井 私まさに本州に両親がいるので、今北海道で海越えてどうしようって最近悩みます。両親ともまだ元気なんですけれども。

矢野 そうですよね。

藤井 そうなのです。ただ自分の父親がついに定年退職を迎えて、その時に自分の人生のフェーズが変わった気がして、私が動揺してしまって。

矢野 そうです。だからほんとに家族が増えるってことは、気に掛けることがすごく多くなるので。

藤井 健康的なこともあるし、パソコンやスマホとか使って両親たちが楽しく生活できるようにフォローしたり、そういう両立もあったりして。

矢野 そうですよね、ありますよね。

藤井 そうなんですよ。たまにいらいらしちゃう(笑)

矢野 ほんとあります。そして、子育ては男性も関わるっていう雰囲気が強く出てきていますが、介護はどうなんでしょうね。

藤井 どうなんでしょうね。

矢野 男性がやれることも女性がやれることもそれぞれあると思うんだけど、そのあたり、どんなふうに皆さん取り組まれているのかなとは思いますよね。

藤井 そうですね。そこもそういったところも気になるし。あとそういう生活の中で、自分の趣味のスケジュールと仕事のスケジュールの間で、どこまで(趣味に)のめり込んでいいのかっていうような悩みとかもあったりします。

矢野 ほんとですね。いやいや私は今趣味が研究みたいになっているので。

矢野先生の、趣味

矢野 いやほんとにそれが今は楽しいから、最初趣味がなくてどうしようって思ってたんですけど。でも企業で勤めている友人が、そういうふうに私がこぼしているのを聞いて、「趣味が仕事ってすごい素晴らしいことじゃない? 研究っていうのが趣味っていうことは生涯やれることなんじゃない?」と言ってくれて、そうかと気づきました。

藤井 趣味も結構仕事につながってきてたりして。趣味だと、仕事とは違う世代間の交流があって、すごく勉強になっていますね。

矢野 いや絶対いいと思います。そうですよね。いろんな刺激入って、そういうのすごくいいなと思いますね、ほんとに。
オンとオフがあるってすごく大事ですよね。

藤井 違う世界に入るって感じですよね。

矢野 そうです。それが今すごく楽しいし、刺激だなと思います。年間の中で、今コロナで行けないんですけど、家族と旅行を1週間くらい行くことを春や秋は入れてたんです。それは唯一そうかもしれない。
 

藤井 そうですね、私も大きい気分の切り替えってなかなか難しいけど、お気に入りのカフェを見つけて行って、そこに逃げ込むというか、本を携えて逃げ込んだりだとか。本屋さんをわけもなくタイトル見てうろうろするっていうのは、日常の中のショートトリップですね。

矢野 いいですね、いいと思います。
私は出張の移動のときは絶対本読むって決めてて。出張がなくなると、読書量が減ってしまいました。

藤井 いやそうなんですよ。正当な無駄な時間っていうのがコロナになっちゃってつくりにくくなってしまって。

矢野 集中できますよね、移動のとき。
 

藤井 そうなんですよ、そういう時間必要ですよね。
 

矢野 分かります。そういうのは両立ってうまくつくっている人たちが多いかもしれない。そういうちょっとしたことで自分の中のオフをつくってることがもしかすると両立支援というか、何事も両立するのにエネルギーになっているかもしれません。そういうの掘り起こしてみてもいいよね。
 

みんなの、“切り替えスイッチ”小技

 
藤井 みんなのオンとオフを切り替える小技みたいなの聞きたいですね。

矢野 人によっていろいろあるかもしれない。キッチンのお掃除するとか。

藤井 いますよね。切り替えたいとき掃除するとかも聞いたりするので、いろんな方の聞いてみたいですね、これから。

矢野 ちょっとしたシステムとか制度の切り替えですごく働きやすくなったりするようなヒントが、みんなの知恵から出てきたらいいですね。

藤井 そうですね、ほんと知恵袋みたいな。

矢野 あとこれがあったら、もっとすごく柔軟に働けるとか、両立してやっていけるみたいなところがあったら、そういうちょっとのことが実は大きいことだと思うので。

藤井 制度っていうものは、私たちを守るものでもあるし、適切に公平に運営していくために必ず必要なものではあるけれども、その中でも融通をちょっとチームの中で効かすとかするだけでもだいぶ違うことってきっとあると思いますよね。

矢野 あると思います、ほんとに。
この両立支援で、プライベートの中でのそういう自分の中のスキル、大事にして切り替えていけるものとか。あるいは困っていることだったり、あと仕事しててこれがあったらもっといいなって思うようなことを逆に皆さんから出してもらったり。

藤井 教えてほしいです。
そして家族のこともあるけど、自分の健康との両立も。健康診断行くときに有休をとらなきゃいけなかったりだとか、今婦人検診って予約すごくとりづらかったりしませんか? スケジュール調整が面倒くさくなっちゃって。結局逃したとかもあるから。そういうのとか。

矢野 でもきっとそういうのは職場でぜひ行くべきものとして、位置付けていけるといいですよね。

藤井 意外と予防のための検診って軽視されがちなんですけど、絶対大切。

矢野 絶対大切です。
 
藤井 そうなんです。そういうのでRee-D両立コンテンツがあることで、みんなが自分の健康に意識が向いてったりだとか、幸せに意識向いてったらいいなっていうような野望を藤井は考えいます。

矢野 両立するってことは大変みたいなイメージがあるけれども、両立することのポジティブな面、強さとか、そこから見えてくる可能性とかも伝えていけたらいいなって思いました。

藤井 そうなんです。私もRee-Dってどっちかっていうと研究者向けにいろいろ支援とかはやっているんですけれども、自分の人生を考えていく上で両立の連続だと思うんですよね。学生だったらサークル活動、アルバイト、勉強とかって。でも意外とみんな両立ってやってるんですよね、常に。だから特別なことでは実はなかったりして。ただ人生のフェーズが変わってくると、両立する種類が変わる。それをぜひ学生の皆さまとか新しく着任とか、就職した皆さんとこの先こういうことが待っているんだよっていうようなのをみんなで経験をシェアすることができる。

矢野 そうですね、ほんと。準備早めにできることはしたり、逆にそれ聞いてるとみんなそうなんだって思えると、乗り越えられやすくなったり。楽しんでいけるといいですね。

藤井 ですよね。自分の人生を自分で描くというか、意外と毎日のことやってるとそういう考え方にならないというか。

矢野 なりますよね。

藤井 毎日のことで一生懸命になっちゃうんですけど。このRee-Dのコンテンツに来ると、お茶の間休憩ができるじゃないですけど。

矢野 ぜひ皆さんのほうからこういうコンテンツを充実させてほしいとか、そういう声が挙がっていただくと私たちもそれを取り上げてぜひシリーズにしたいですね。私たちだけじゃなくて、学内のいろんな人材に少し入っていただく中で、皆さんの経験知とそれから専門的な知識を生かした企画も考えたいですね。

藤井 そうですね。そういうわけでインタビューページとコラムページっていうふうな2本立てで考えています。みんなとお話ししながら、これってどうなっているんだろうって調べたくなるようなことも出てくるような気がしてて。

矢野 そういう意味では北大ってほんとに総合大学で、いろんな知の集まってる場だと思うので、皆さんにお願いして、みんなで創り上げていけるといいですよね。

藤井 そういう企画にこれからしていきましょう。

矢野 私たちだけじゃないから、北大ってほんとそういう意味では人材の宝庫なので、そういう人たちにちょっと応援していただきながら、みんなでやりたいですね。

藤井 巻き込んでお願いして。

矢野 それもいいですよね。

 
ダイバーシティ研究環境推進室(Ree-D)は、前身の女性研究者支援室より仕事(研究)とライフイベントの両立を叶えられるよう活動をしています。様々なテクノロジーやサービスが発展している今、かつては叶えられなかったことも叶えられるようになっていることもあるかもしれません。そんな知恵や知識を共有するメディアとなっていけるよう、企画して参ります。