Interview

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キャリアとライフプランの両立ってどうしてる?Vol.2

相談相手、職場でのロールモデル、ママ友、日常の“あるある”の共有相手。

子育てなどの相談や子育てあるある話をする相手は、職場か保育園のママ友。コロナでそれもままならなくなって…

――― 子育ての相談相手や子育てしながら働くロールモデルはいますか?

D:文系学部だと、女性の教員が多いのかと思いきや、意外と少ないのです。お子さんのいらっしゃる女性教員は同じ学部に数人いらっしゃるのですが、部屋が離れていたり、コロナであまり会えなかったり、お2人お子さんを単身で育てていらっしゃって忙しいかな、などと考えてて、あまり細かいことまで聞く機会はなくて。友達などにも聞こうと思ったのですが、先ほどの哺乳瓶の件については、割とみんな困っておらず、アドバイスが聞けなくて・・・。今日お話を伺えてとても助かりました。

E:前職の時はロールモデルがたくさんいる環境で、こうなりたいっていう姿も描けたのですが、今は乳幼児子育て中のお母さんはいないです。

C:同じ境遇の人は皆無。見当たらないと言うか・・・。他の学科とも交流がない。今、(所属しているコースの中で)女性は私一人です。同世代でバリバリ働いている仲の良い友達も独身が多くて、子育ての相談はしません。大学院時代の子育てしている先輩にコーチングをお願いして、話をきいてもらうということを試しているところです。

B:うちの職場は男女比半々ですが、40~50代 が8~9割。一応自分と似たような境遇の先生もいるのですが、コロナ(新型コロナウィルス感染症対策)で会う機会が少なくて。前は教授会などで会って、洋服あげるよとかできましたが、ミーティングがオンラインになってからはそういうネットワークは途切れてしまいました。コロナが終われば、小さいお子さんがいるメンバーで集まれるのかなと思っています。

A:1人目を産んだ時と、今とはまた状況が全く違っていて、1人目の時は海外にいたので、相談する相手は夫だけでした。 帰国して学内保育園に入れたら、両親が北大という人がいて、そのお母さんたちと一緒になれました。職場は理解のある上司だったので、子どもが熱を出した時などにも、良くしてもらいました。今は小さい子を育てているのは私だけなので、子育ての話はあまりしないですね。職場の環境によって本当に違うなと思います。

E:「あーわかる、わかる!」みたいな会話に飢えませんか?

A:同じ状況、子どもが同い年くらいで、同じようなことに困ってないと話せないですよね。

E:そういう意味では保育園は、ママ友を見つけやすいですが、最近は[1]座談会の開催は、2021年がスタートした頃でした立ち話がしにくい。迎えに来たらさっさと帰る、みたいな雰囲気ですし、保護者会とかの集会も全部ない。未だに同じクラスのお父さんお母さんを把握できてない状態で寂しい感じです。

A:保育園って本当に大事だなって思います。1人目の子の時は親がみんな北大の関係者で、今の2人目の子の認可の保育園だと、たぶん同じような職をしている人がいない。うまく(コミュニティに)入り込めるかな、という心配があります。

E:私の場合は認可保育園でしたが、お父さんお母さんたちと仕事の話をしなかったので、逆にすごく仲良くなりました。家族ぐるみでお付き合いした友達もいましたが、最後まで何している人なのか分からなかったって言う(笑)

A:それはいいですね!

E:子ども同士仲が良いので遊ぶっていうつながり。

A:他の人より自分だけ年齢が高いせいもあるかも。

C:私も自分の年齢を考えると、、そうかなと思っていましたが、そんなことないと思いますよ。認可保育園の親も下から上の年齢まで結構います。

昔の自分に言ってあげたい事。仕事と家庭の両立に不安に思っていたら・・・。


――― それでは、この記事を読む後輩たちへのメッセージを兼ねまして、「昔の自分に言ってあげたいこと」をお願いします。

A:子どもはあっという間に大きくなるので、1日1日毎日かわいいって育ててあげるのが大事かなと思います。周囲の理解が一番大事かな。人は、自分の経験したことしか想像が膨らまなかったりするので、違う背景や状況で子育てをしたり過ごしている人の気持ちがわかりにくかったりすると思う。もうちょっと色んな人が理解してくれたらいいなと思うし、お互いに理解できる環境があればいいかな。

B:周りの人の理解がとてもあった職場だったので、役職とかも途中でできなくなっても、次の代わりの先生を立ててくださったり、それに対しても気を遣わなくていいよという心遣いがあったから、心配もなく現在まで来れたのかなと思います。なんとか周りの人が対応してくれるよっていうのが言ってあげられることかなと思います。

ダイバーシティ(研究環境推進室)の補助人材育成の事業を使わせていただいたりしています。来年度から技術補助員を雇うことになったんですけど、求人募集作業の一部を教員がやる必要があったりします。自分からアプローチして、そういう(支援)事業に行くっていう力も必要だし、その後の手続きもしなければいけないので、研究を手伝って頂けるというメリットがあったとしても、そこまでに行くために割かれる時間や労力も必要。すべてに言えるのですが事務負担が減るような仕組みを、ちょっとでも楽になればなと。

C:今まさにバタバタの真っ最中で、絶望的に大変だなと思うこともありますが、皆さんおっしゃっているように貴重な経験を人生の中でできているのだな、ということを日々実感しているので、その気持ちを最大限に楽しみたいな、育児を楽しみたいな、と思っています。両立については、子育て支援センターの友人に相談しても、この月齢の子どもの育児と仕事を一人でやりきるなんて無理だと思ったほうがいいといわれました。できる限り人を頼り、みんなで子育てしていきたいと思います。一方、職場では、子育てがなくとも全員が100%を超えた仕事をしているのが目に見えるので、自分の負担分(仕事に従事できない分)のしわ寄せが確実にいってしまう。福利厚生制度の権利を施行するのが難しいです。

D:まだ育児が始まったばかりなので、振り返るというのは難しいのですが、とにかく休めるときにはしっかり休んで、子どもを持つ前のように、自分の時間を全て自分のやりたい研究に避けるわけではないので、優先順位をつけることと、ちょっと自分に優しく、達成度が低くても褒めてあげると言うか、そのようにして子どもにしわ寄せが行かないようにしたい。目の前のことにいっぱいになってしまってイライラしがちなので。少し自分に甘くして子どもにやさしくしてあげてねって言うと思います 。

周りの理解とか助けが本当に大事になってくるので、常日頃から人間関係を構築することの大切さも伝えたいです。助けてもらうことがたくさんあると思うのですが、自分でできることは自分でやって、甘えすぎず、ありがたいっていう気持ちを持って人と接することが大事かなと思います

E:よく育児って大変っていう感じになっちゃいますが、なんだかんだ言っても結局なんとかなるよな、と思っています。(あらかじめ)出来るかどうか考えていた時には「どう考えても無理じゃない!?」と絶望的に見てたかもしれないけれど、いざそこに立ってみたら、出来はどうであれ、なんとかはなった。(昔の自分に対しては)「見切り発車だったかもしれないけど、それでよかったんじゃない?」と言ってあげたい。この記事を見るであろう後輩たちも将来どうしようとか思っていると思いますが、案外なんとかなるよって言ってあげたい。仕事も育児も楽しめばいいかなって。

周囲の理解と家族の助けですね。特に夫には感謝を形に出して、ありがとうありがとうって言うようにしています。そう言えば夫も同じようにありがとうと言ってくれて、お互いに嬉しいので。あとは人から仕事を頼まれたら、自分ができそうなことだったら喜んでやりますって言うようにしています。逆に自分がどうしようもなくなってにっちもさっちもいかなくなったら助けてもらいたいなって下心もあってのことですが(笑)

あとがき

全2回を通して、女性研究者の結婚や家事、育児、そして乳幼児のお子様の育児と仕事を両立するための保育園事情や、大学での仕事事情、これらの悩みを共有する相手についてお話を伺いました。
参加いただいたみなさま、それぞれの悩み、それぞれの乗り越え方など、たくさんのお気持ちを打ち明けてくださり、本当にありがとうございました。
 
両立している内容は、日々の家事や離れて暮らす家族とのコミュニケーションなど、人ぞれぞれですが、両立していることは、みんなに共通です。
 
これからも、両立支援インタビューでは、みんなの、時間やりくり方法や今考えていることを共有していきたいと考えています。また、時間やりくりのためのお役立ち情報は、“コラム”で共有していきたいと思います。
 
こんな特集やってほしい!こういう悩み、みんなどうしているの?などみなさまからの疑問も募集しています。
(リクエストはこちらから! E-mail: reed@synfoster.hokudai.ac.jp)
 
北海道大学内にある保育施設は、弊室のウェブサイトにまとめています。
 
このインタビューの中から、みなさんに役立つヒントが見つかりますように!

脚注

脚注
1 座談会の開催は、2021年がスタートした頃でした
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