2011年1月8、9日に北大未来の科学者養成講座「フィールドアドベンチャーPro」を開催しました。今回は動物行動学というテーマで、札幌から300kmほど離れた西興部村でエゾシカをテーマとした実習を行いました。
1月8日
一般動物生態論
西興部に向かうバスの中ではいろいろな生物の生態についての講義がありました。大雪のためバスは随分と揺れていましたが、みんな真剣に話を聞いて議論していました。
西興部猟区について
西興部村に到着後、狩猟についての講義と西興部村猟区についての説明がありました。猟区内では地元のガイド付きで1日2組までしか狩猟ができないため、とても安全に狩猟することができると説明がありました。
出猟実習
猟区についての説明の後、実際にエゾシカ猟に出発しました。鹿が逃げてしまうため、ハンターである講師の先生以外は車から出ることができませんでしたが、狙われている鹿はかろうじて確認することができました。この日は5頭の鹿を発見しましたが、木の枝が邪魔だったり鹿の向きが悪かったりして鹿を撃つことはできませんでした。
鹿解体実習
この日は鹿を撃つことができなかったため、事前に捕獲(血抜き済み)していた鹿の解体を行いました。受講生も足を持って固定したり、ナイフを持って皮を剥いでみたりしていました。講師の先生は解体しながら鹿の体の構造について説明してくれました。
ライトセンサス実習
野生動物の数を把握する手法の一つとして、ライトセンサスがあります。これは夜間に車からライトを照らして野生動物の姿(特に目の反射)を確認する手法です。なかなか見つけることができませんでしたが、調査の大変さがわかりました。
1月9日
鹿牧場見学・テレメトリー実習
二日目は-10度以下の寒さの中、西興部村にある鹿牧場の見学から始まりました。この鹿牧場にいる鹿は観光目的に飼育されているため、人間に食べられる危険もありません。安心して餌を食べていました。
鹿の見学の後、テレメトリー実習を行いました。これは野生の鹿に発信器を取り付けてその行動を調査するものですが、実際に説明を受けてやってみると非常に根気のいる調査だということがわかりました。
痕跡調査
みんなでスノーシューを履いて山の中に入り、鹿やその他の動物の痕跡を探しました。鹿の足跡や木の樹皮を食べた跡が見つかりました。調査中には鹿の鳴き声(警戒音)も聞こえました。