活動報告

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【PIを目指す研究会等開催支援】キッズワークショップ開催報告

DEI推進本部では、本学の女性研究者が、研究会等の開催を通じてリーダースキルを強化するとともに、自らが中心となって進める研究の発展につながるネットワークを構築することを目的として、「PIを目指す女性研究者による研究会等開催支援」(2022年度の募集は終了)を行っております。

この支援により、2023年1月14日、北大病院消化器外科Ⅰ医員の荒桃子先生による「鎖肛アプリケーション作成のためのキッズワークショップ『デジリハLAB@ほくだい』」が開催されました。

以下、レポートを紹介させていただきます。

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鎖肛患児の術後排便機能を向上させるためのバイオフィードバックアプリケーションの開発に取り組んでいる。患児がスマートフォンなどのゲームアプリケーションを介し自宅で肛門機能向上のためのリハビリに取り組むための医療機器である。今回、DEI推進本部のご支援のもと、この医療機器のキー部分となるゲームアプリケーションのデザインやキャラクター設計を鎖肛患児に関わってもらうためのワークショップを開催した。

これまで、臨床現場以外においてリーダーとしてプロジェクトを進める経験がなかったが、今回のワークショップは企画から会場準備、予算配分、広報、ワークショップ内容のデザインに至るまでを自らリーダーとして行った。特に普段は患者対医師として関わっている参加者に対し、異なる関係性を示し参加者同士の関わりをどのように促していくかが大きな課題であった。
そこで、自閉症などの疾患当事者が製品開発の段階から関わる参加型デザインについて研究している北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授のRob Nigel氏、これまでにも子どもたちと共同でのゲーム開発のためのワークショップを開催している株式会社デジリハの仲村佳奈子氏とミーティングを重ねた。参加者の年齢別にグループに分かれ、課題と発表方法をそれぞれの年齢層に応じた形で取り組むワークショップデザインとした。
このようにして検討した進行表やワークショップデザインを実際のワークショップでファシリテーターとして参加する小児外科医師たちへ伝え新たな課題や問題点を指摘され更なる検討を行った。
準備の段階では他のメンバーが忙しいことなどを考慮し、1人で奔走した印象を自他共に感じていたが、仲間を信頼すること、このような経験を共有することもリーダーとして必要な要素であると指摘され、大きな学びとなった。
ワークショップ当日は、準備していた者たちの不安や予想に反し、参加した子どもたちの楽しそうな様子、集中して課題に取り組む様子を見ることができ、大いに勇気づけられた。

今回のワークショップ開催を経験し多くの仲間に支えられていることを再度認識できた。アプリケーション開発研究はまだ始まったばかりだが、仲間を信頼し子どもたちとの約束を果たすべく研究プロジェクトを進めていきたい。