活動報告

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KNIT a Network!ロールモデル座談会(ゲスト:北見工業大学 学長補佐(ダイバーシティ担当)川村みどりさん)を開催しました(9/24)

『KNIT a Network!ロールモデル座談会』は、科学や研究の世界に関わる様々なゲストを迎え、インタビュー方式によりゲストの人生、仕事内容などを語っていただく企画です。
9/24(木)に開催された第7回目は、北見工業大学 学長補佐(ダイバーシティ担当)、応用化学系 教授 川村みどりさんに『研究者生活、「山登り」も「川下り」も取り入れて進もう!』というタイトルでお話を伺いました。

先生は本学工学部で学ばれ、北見工業大学に着任されてから、真空中で原子をたたき出して電子材料の薄膜を作り出すご研究や、スマートフォン等のディスプレイに使われている有機EL素子のご研究を経て、現在は金属で作ったナノレベルの層で薄膜と基板をしっかり密着させ、薄膜の性能を向上させるご研究をされています。
視聴者のみなさんからは「今後の目標は?」「大学院で行った研究が教員になってからの研究テーマと同じになる事はまれですか?」などたくさんの質問をいただきました。

川村先生には多くの貴重なお話、励ましのお言葉をいただき、誠にありがとうございました。学内のみならず北見工業大学や室蘭工業大学より40名近いお申し込み、ご参加をいただきました。誠にありがとうございました。
この続きは下記「レポート」をご覧ください。
 
次回のKNIT a Network!研究者交流会は10月22日(木)12:20~12:50、ゲストは博士の進学について、現役の博士課程の方をゲストにお迎えします。
近日Webサイトでご案内いたしますので、皆様のご参加をお待ちしております!

レポート


北大工学部応用化学系で初の日本人女子ドクターとなった川村先生。
研究者を志すきっかけは、高校生の頃ファインセラミックスが話題となっており、材料は全ての基盤になる大事な分野なんだ!と感じたことだそうです。
学生時代、性差を感じることなく学問や研究に打ち込んできた川村先生ですが、海外インターンシップへ参加された際は、所属した部門のトップが女性で秘書が男性だったことや、“研究が楽しかったらドクターへ進学する”と進学に積極的な仲間たちとのコミュニケーションを経験し、日本との違いを感じたそうです。

北見工業大学で採用された後にご結婚・ご出産というライフイベントを迎えた川村先生。近くに親戚や家族は住んでおらず、相談できる女性教員も少ない中での子育てだったとのことですが、同年代で子育て中の男性教員の方々に悩みを相談したり、いただいたアドバイスが励みになったそうです。
教授に昇進された後は教職員人事の選考や学科長など研究室外の任務を経て、現在はダイバーシティ推進室副室長、北見工業大学 学長補佐(ダイバーシティ担当)に就任され、学外のシンポジウム等に参加するようになったことで、とても良い刺激を受けているそうです。
若手研究者へのメッセージとしてキャリア形成を「山登り」と「川下り」に準えてお話いただきました。目標を決めてまい進する「山登り」型が推奨されているが、キャリア形成においては迷ったら「川下り」に転じることで、偶発的な発見や出会いもあるのではないか。この出会いは、自分の考えがあるとなお気が付きやすい、とアドバイスいただきました。冒頭の話題にある海外インターンシップは、学生はあまり見ない掲示板に告知されていた募集であるにも関わらず、川村先生の意識には飛び込んできた。これは、もともと海外で仕事をしたいという、川村先生の考えがあったから気が付くことができたのだと思う、とお話されていました。周りの環境がなかなか整っていないなどの不満があると思いますが、現在ダイバーシティの環境は整備の段階を迎えているので、今自分ができることに取り組んで進んでいきましょう!とエールをいただきました。
また、視聴者のみなさまよりたくさんの質問をいただきました。今後の目標は?という質問には、大変なこともあったが、今まで研究を続けてこられたことは恵まれたこと。実験をしていると疑問がわいてくる、まだまだ研究で良い成果を出していきたい!と力強くお答えいただきました。
大学院で行った研究が、教員になってからの研究テーマと同じになる事は珍しいのか?1つのテーマを深く研究するのではなく、広いテーマで研究をするのは研究者として通用するのか?という質問には、自然なことであり、学んだ事をベースに違う分野を学ぶことで新たなアイデアが出て来たりすると思う、とお答えいただきました。
子育てで思い出深いエピソードを教えてください、という質問には、子供が小さい時、よく熱を出して時間休をとり、職場→保育園のお迎え→小児科のルートをルーチンのように行っており大変だったというエピソードをお話くださいました。このルーチンをやり遂げた背景には、“時間休”制度の活用や、“北見”という町のサイズがちょうど良かった、と教えていただきました。

川村先生には多くの貴重なお話、励ましのお言葉をいただき、誠にありがとうございました。学内のみならず北見工業大学や室蘭工業大学より40名近いお申し込み、ご参加をいただきました。参加者の皆様、誠にありがとうございました。