新しい北大事業所内保育所が2010年5月開園に向けて準備中です。
昨年末12月10日~24日、本サイトで実施した保育料に関するアンケートには、短い回答期間にもかかわらず私たちの予想をはるかに超える828名の方たちにご協力いただき、ありがとうございました。(このうち北大病院の方たち583名にはWeb入力アドレス制約があったため、わざわざプリントアウト紙面でご協力いただきました。)
私たちがもう一つ驚いたことは、「なるべく簡単な設問・選択回答で短時間に回答できるアンケートにしてなるべく多くの方に参加していただけるように」と思っていたのに、ほぼすべての回答者が自由記述欄にそれぞれの思い・ご意見をたくさん入力・記述してくださったことです。費やしてくださったであろう時間・労力に深謝し、このアンケート結果をここで皆さんと共有するとともに、総長はじめ本学執行部に伝えます。
現段階で大学執行部の決定事項は、大学は建物(園舎)と光熱水料のみ負担、その他の費用(保育者人件費、給食費、教材費、衛生費、保険料等)はすべて受益者(保育児の保護者)負担です。事業所内保育所ですから、札幌市のルールにとらわれず保護者が北大で働くまたは学ぶ者であれば年度途中でも入園できる自由度はありますが、認可外のため札幌市からの補助は一切受けられません。例えば認可保育園で0歳児、3歳児にかかる保育料はそれぞれ206,788円、73,745円ですが、札幌市からの補助金により保護者が負担する保育料はそれぞれ最高59,500円、37,000円程度に抑えられているのです。
つまり補助金なしに認可園と同程度の保育をしようとすれば、保護者は丸々206,788円、73,745円を負担しなくてはならないことになります。保護者負担保育料金を認可園と同じにすれば、保育士の配置人数を大幅に減らすなど保育の質を落とさざるを得ないことになってしまいます。
他大学等ではどうしているのかというと、東大でも名大でも昨今開園した事業所内保育所について地方自治体と同程度の補助金を大学が負担し、利用者(保護者)の負担を認可園並みに軽減していますが、大学の負担はかなり大きなものになっています。本学では、このような大学の経済的負担解消のために、かつての無認可保育園(事業所内保育所)を札幌市認可園とし、引き換えに学内者の入園自由度を失っています。似たような経緯を他大学も経験し、結局は「大学の大学による大学のための事業所内保育所」の必要性を強く認識して、認可外の事業所内保育所の開園・経営に至っています。
北大も道半ばというところかもしれませんが、本学の人的資源を十二分に活用するなど、なるべく少ない負担でなるべく質の高い保育を目指す工夫をしていきたいと思っています。今回のアンケートに寄せられた皆さんの声を力に、大学執行部にも粘り強く働きかけていきます。