6月12日(水)に人材育成本部会議室にて「YKK女性技術者座談会」が行われました。まず、YKK㈱工機技術本部 金属担当 専門役員の喜多さんから、YKK黒部事業所がある富山県は、古くから「ものづくり」が盛んに行われており、共働き家庭が多いことや、勤労者世帯の実収入が全国でも上位にあることをご説明いただきました。
YKKでは製造設備や材料、製品までの一貫生産をとっており、「ものづくり」は顧客密着の体制を取っているそうで、世界展開をしている現在も設備開発・供給は日本から行っていることも説明いただきました。
また、2018年度におけるファスナーの販売本数は100.7億本(地球約80周分!)となったそうです。
続いて工機技術本部 技術企画室長 執行役員の山崎さんからは、YKKでは事業所内保育所を作って社員が安心して働ける環境を整えたり、男性の育児休暇取得の推進、産休復帰後の時短勤務など、子育てしやすい環境の整備、女性向けのキャリア開発支援をするなど、女性技術者育成に関する取り組みに力を注いでいることを説明いただきました。
本学ご出身のファスニング事業部 商品開発部の高本さんは、ファスナーの表面処理技術の開発を行っており、実際にご自身が開発した金属ファスナーのサンプルを見せていただきました。
さらに、現在開発中のファスナーが付いているかばんを毎日持ち歩いて、ファスナーの状態を確認しているそうです。女性が少ないエンジニアの世界で自身がスペシャリストとなり、多くの女性エンジニアのロールモデルになりたい、と語っていました。
同じく本学ご出身の工機技術本部 分析解析センター脇坂さんは、クラーク会館の就職説明会がYKK入社のきっかけになったそうです。開発スピードや、より良い商品をお客様に提供するための分析・解析を行っており、様々な分野の方と仕事ができることや、自分の分析結果が新しい商品や機械の開発に役立っていることにやりがいを感じるそうです。将来はファスナーや窓に関する分析技術のスペシャリストになりたい!とお話いただきました。
座談会の最後は質問タイムとなりましたが、とにかく沢山の質問が飛び交いました。
ファスナー事業だけでなく、どうやって宇宙服や漁網などの新しい分野を開拓したのか?という質問では、お客様からこんな商品を作ってくれないかと相談を受け、そのニーズにしっかり答えてきたから。という回答をいただきました。
また、技術者=男性のイメージが強いが、その中でもエンジニアの仕事を選ぶことは大変ではなかったか?という質問には、入社して男性が多いことに気付いたが、年々女性エンジニアは増えており、仕事をしてみると性別は関係ないな、と感じた。という回答をいただきました。
さらに、学生時代に力を入れておいた方がいいことは?という質問には、大学時代でないとできないことがあり、サークル活動など充実していると、仕事にも役立ってきます。とアドバイスをいただきました。
その後も質問は尽きず、参加者の方は大いに参考になったようです。
YKK株式会社の皆様、ありがとうございました!