活動報告

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未来を創る性と健康「プレコンセプションケアから始めるライフサイクルとキャリア設計」 講演会の開催報告

北海道大学「2024 DEIキャンペーン」連続講演会(全4回)の最終回として、本学大学院保健科学研究院の蝦名康彦教授に、「未来を創る性と健康 プレコンセプションケアから始めるライフサイクルとキャリア設計」と題し、ご講演をいただきました。オンラインでの開催に約30名の学生・教職員、高等教育機関関係者等が参加しました。

はじめに、日本の女性を取り巻く環境と現状について、仕事と健康にまつわるデータ等から、健康管理とダイバーシティの結び付きについてご紹介いただきました。さらに健康課題に向けた考え方や知識として、プレコンセプションケア、適正な体重の維持管理の重要性、将来の妊娠・出産、健やかな更年期・老年期の迎え方、ライフプランとキャリア形成について、産婦人科医としてのご経験や知見を交えお話いただきました。
特に女性は、男性に比べて年齢とともに性ホルモンの分泌量が激変し、多種多様な疾患にかかるリスクが高いこと、月経や更年期症状等に悩まされる要因となっていることが説明されました。この女性ホルモンの分泌量の変動が大きい時期とキャリア形成・維持・向上や、出産・子育て等のライフイベントが重なると、より身体的・精神的な負担が大きくなりますが、実際には通院するなどの具体的な対応や対策を何もしていない方の割合が高いというデータが示され、周りの支援や理解とあわせて、本人のヘルスリテラシーを高める教育の重要性についてもお話いただきました。

参加者からは、
「プレコンセプションケアを軸にとても包括的な内容を聴けて満足感のあるセミナーでした。学生のうちからこういった情報に触れることは非常に大切だと思うので、ぜひ今後も続けていただきたいなと思いました。」
「性と健康に関して,男性にも理解すべき事項が数多くあることに気づきもっと理解と関心を深めようと思った。講演の中では,女性ホルモンに関する知識と,健康がキャリア設計に前向きな影響を及ぼしているというのが面白かった。」
「小中高大と継続して男女ともに学ぶ機会を学校で提供される、妊娠時に男性パートナーにも女性と男性の違いについて学ぶ機会を提供(義務でもいいくらい)できる世の中になると良いなと思いました。」
「青年期より健康教育を徹底していくこと、地域においても性と将来的な健康に関する教育を陰らずに行う重要性を感じました。」
などの、たくさんの感想を頂きました。

参加者は、性別や年齢に関わらず、自身の健康と向き合いながら仕事や学業に取り組むためのプレコンセプションケア、ライフサイクルとキャリア設計について考える機会となりました。

【参考】蝦名康彦教授が執筆されたウェブコラムはこちらからお読みいただけます。
キャリアとリプロダクティブ・ヘルス/ライツ両立支援コラム①〜⑤
https://www.dei.hokudai.ac.jp/cat-dei/