活動報告

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D&I推進宣言制定記念講演会:第2回記念講演開催報告

第2回記念講演:大学とユニバーサルキャンパスデザイン

【日時】2021年12月16日(木)18:30-20:00
【講演題目】共生社会の基盤となるキャンパス・コミュニティ
【講演者】山田 あすか 東京電機大学未来科学部建築学科教授
【聞き手】小篠 隆生 北海道大学大学院工学研究院准教授
【司会】菅原 修孝 北海道大学理事

山田 あすか 東京電機大学未来科学部建築学科教授

山田先生の講演では、まずそもそもあらゆるデザインはアンコンシャスバイアスを含む思想のかたまりであること、誰かにとってのバリアフリーが誰かにとってのバリアになる可能性があること、また誰にでも差別や偏見はあるのでそれに気づきアップデートしていくことが必要であるといった、ユニバーサルデザインを考える上での基盤となる考え方についてお話いただきました。
続いて社会的資本(公共財)としての大学、また「フィルタードスペース」としての大学という視点や、フィルターの開かれと閉じられのコントロールの難しさについて、コロナ禍での体験を交えてお話いただきました。更に多様である/共在していることはむしろ「あたり前」ととらえ、新しいあたり前をつくる、「ただ居ることができる」から始まる事の重要性など、大変興味深いお話をいただきました。
 

小篠 隆生 北海道大学大学院工学研究院准教授

その後小篠先生が加わり対談がスタートしました。イタリアでデザインという意味を持つ言葉「プロジェッタツィオーネ」(何をつくるべきなのか)から考え始めること、北大のように古いものと新しいものが混在する既存キャンパスで何を作るべきなのか決めていくのは街づくりと同じで難しい問題だが、ただ居ることができる、居場所をつくることの重要性(Place Making)をどのようにキャンパスに応用していくか等、話題は尽きず、大変示唆に富んだ対談となりました。
 視聴者との質疑の際には、古河記念講堂のような学内の歴史的建造物への対応についての質問が菅原理事から紹介され、山田先生からは、歴史的建造物であっても有効利用していくことが肝心との回答がありました。
 

菅原 修孝 北海道大学理事

最後に菅原理事より、「北海道大学ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」の中で「北海道大学は、誰一人取り残さず、すべての構成員の尊厳が守られ、ひとりひとりが誇りを持ち、互いを尊重する大学環境を目指します。」とありますが、この宣言を北海道大学のキャンパスの中でどうしたら実現できるのか、本日の講演・対談の中で得たものを活かし改めて考えていきたいと語りました。そして「光」は「北」から、「北」から「世界」へ発信し、取り組み続けていきたいと語り、講演会を締めくくりました。
 
視聴者からのアンケートでは満足度が非常に高い結果となり、講演+対談というスタイルについても、対談によってより講演内容の理解が深まったというご意見を多数いただきました。
 
山田あすか先生、小篠隆夫先生、そしてご視聴いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

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