2024年3月14日、農学研究院主催のセミナー「キャリアパスとしての大学と研究環境でのDEIを考える」が開催されました。また同日には、セミナーに招へいした女性研究者とのDEIに関する意見交換会が行われました。
本セミナーは、農学研究院副研究院長・教授 石塚敏先生に対する「女性研究者招へい支援」によって実施されました。
以下、レポートをご紹介させていただきます。
概要
セミナー名称:キャリアパスとしての大学と研究環境でのDEIを考える
日時:2024年3月14日(木)15:00-17:00
会場:農学研究院N21教室
招へい者:
吉次 玲香氏(田辺三菱製薬株式会社創薬本部 免疫炎症創薬ユニット・研究主任)
礒田 玲華氏(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所・博士研究員)
西向 めぐみ氏(岩手大学ダイバーシティ担当副学長特別補佐・農学部・教授)
参加者:計21名(教職員12名、大学院生4名、学部学生5名)
DEIに関する意見交換会
日時:2024年3月14日(木) 10:00-12:00
会場:農学研究院N132室
テーマ・内容:北大農学部におけるDEIのあるべき姿
キャリアパスとしての本学が目指すべき方向や、職場環境としての大学の改善点などについての意見交換を実施した。
参加者:招へい者に加え、副研究院長 石塚 敏、講師 崎浜靖子
実施による成果について
1)セミナー等について
吉次氏は、現在北大農学院の社会人DCでもあり、身近な先輩という立ち位置で企業におけるDEIの情報提供や学位取得の意義に関するご意見をいただいた。制度が整っている会社でも子供を持ちながら研究の第一線にいる人は少ないとの指摘があった。礒田氏については、現在は博士研究員ではあるが、4月から産業技術総合研究所生物プロセス研究部門の研究員として採用が決まっており、女性研究者のキャリアアップや日々の生活に関して学生・院生への具体的なアドバイス、をいただいた。西向氏は岩手大学ダイバーシティ担当副学長特別補佐・教授として大学でのDEI 関連業務の中枢を担う立場から、大学における今後のDEIのあるべき姿に関してご意見を伺った。
2)当該女性研究者とのDEIに関する意見交換等について
無自覚バイアスやマイクロアグレッションは男女問わず持ち合わせているもので、当該状況を冷静に捉えつつ随時修正していくべきものであると考えられた。大学でのDEIに関する認識が進むことは良いことではあるが、現状では数少ない女性教員の負担が結果的に増す問題もある。社会において活躍する女性比率を増やすことで社会全体としての認識が変わるにはそれなりに時間を要するが、男性研究者のDEIに対する認識の重要性が指摘された。DEIに関する取り組みを継続することが重要との意見が出された。今回は女性目線でのセミナーとしたが、同様な論点はマイノリティに対する取り組みについても適応できるものと考えられる。