2025年1月17日、環境健康科学研究教育センター主催のセミナー「日本におけるプラネタリーヘルスの取り組み〜広島大学プラネタリーヘルスイノベーションセンター活動より〜」が開催されました。また同日に、セミナーに招へいした女性研究者とのDEIに関する意見交換会が行われました。
本セミナーは、環境健康科学研究教育センター・特任准教授 アイツバマイゆふ先生に対する「女性研究者招へい支援」によって実施されました。
以下、レポートをご紹介させていただきます。
概要
セミナー名称:日本におけるプラネタリーヘルスの取り組み〜広島大学プラネタリーヘルスイノベーションセンター活動より〜
日時:2025年1月17日(金)13:30-15:30
会場:医学部百年記念館大会議室
招へい者:鹿嶋小緒里 准教授(広島大学大学院国際協力研究科(IDEC)国際連携機構・副機構長/IDECプラネタリーヘルスイノベーションセンター(PHIS)・センター長)
参加者:22名
DEIに関する意見交換会
日時:2025年1月17日(金)16:00~17:00
会場:中央キャンパス総合研究棟2階 環境健康科学研究教育センター
参加者:6名
実施による成果について
1)セミナー等について
2025年1月17日(金)に医学部百年記念館大会議室で開催したセミナー「日本におけるプラネタリーヘルスの取り組み〜広島大学プラネタリーヘルスイノベーションセンター活動より〜」では、広島大学大学院国際協力研究科(IDEC)国際連携機構・副機構長であり、IDECプラネタリーヘルスイノベーションセンター(PHIS)のセンター長を務めておられる鹿嶋小緒里准教授を講師として招き、災害データや地理情報システム(GIS)などを活用した国際および学際的連携によるご活動経験や国際保健分野の研究事例、プラネタリーヘルスの概念についてご講演いただきました。プラネタリーヘルスとは、人間社会の健康のみならず地球環境全体の健全性を同時に考慮するものであり、SDGsとの関連性にも触れつつ、多様な研究分野を横断して取り組む意義が強調されました。参加者は22名で、医療分野や環境分野など多方面の研究者が集い、僻地医療における遠隔地への救急搬送や、国際協力の現場における医療情報の整備など、鹿嶋准教授のこれまでの海外経験を踏まえた具体的事例も紹介されました。質疑応答では、日本国内のみならず海外の学術機関や地域社会との連携をより強固に進めるための学術交流や共同研究の可能性について活発な意見が交わされました。
2)当該女性研究者とのDEIに関する意見交換等について
同日16時からは中央キャンパス総合研究棟2階の環境健康科学研究教育センターにおいて、当該女性研究者とのDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)に関する意見交換会を実施しました。ここではジェンダー平等や多文化共生をめぐる大学の取り組み事例、女性研究者のキャリア形成と課題、学際研究におけるダイバーシティの有効性などが議題となり、参加者6名がそれぞれの専門領域の視点から多角的に意見を交わしました。
本セミナー及び意見交換を通じて、学際的で国際的な研究推進の必要性に加え、鹿嶋講師の所属先の多様な人材(国際人材含む)の登用に関する組織体制に関する意見交換、公平性や柔軟性を重視した業務の分担と運営手法、そしてその課題や工夫点など、DEI推進における具体的な経験が共有されました。また、女性研究者が自らの専門性を活かして国際保健や環境健康科学分野でリーダーシップを発揮するロールモデルの存在が、学内外の若手研究者にとって大きな励みになることも確認され、こうしたモデルの積極的な発信により、多様性のある研究組織の創造と社会実装が加速することが期待されました。今後は、プラネタリーヘルスの視点を取り入れた学内の講義、国内外の共同研究の推進や、自治体・産業界との連携による実証的なプロジェクトの展開を模索する上で、女性研究者が安心して研究活動を継続できるよう、研究環境を整備することが不可欠であり、そのためにも研究費・人員サポートの充実やアンコンシャスバイアスに対する啓発を継続的に強化する必要があります。さらに、複数の専門領域を横断したセミナーやワークショップを定期的に開催することで、学内における多様性の確保と包括性の向上を図りながら、学際研究を担う次世代リーダーの育成に努めていく方針です。今回のセミナーをきっかけとして、広島大学IDECプラネタリーヘルスイノベーションセンターとの連携がいっそう深まることが見込まれ、本センターのDEI推進においても具体的な成果と人材育成に結びつけるための大きな一歩となりました。

鹿嶋先生による講演

質疑応答①

質疑応答②

集合写真